パンデミックで生きやすくなった

外に出ろ、マスク外せと言われていた世の中があっさり反転した。

休日に家にいれば、無意味で無駄な時間を過ごしたと判断される。
マスクを着ければ、顔が見えない、若者の依存症だと批難される。
在宅で働きたいと言えば、出来る訳がない、甘えだと嘲笑される。

それが今ではこの通りだ。

どこかへ行ったというだけでいいねと言われ、人と会い人と食事する事が能力よりも評価され、一同に集まって同じ事をするのが尊いとされた社会は、そうする事が好きな人間と環境がたまたま合っていただけに過ぎない。

他人と生身の会話を必要としない人間がコミュニケーション障害なのではなく、生身の会話が無いとストレスで暴れ出す人間がコミュニケーション中毒であり、前者はこれまで後者の都合に付き合わされていたに過ぎない。

他人と口の穴や鼻の穴を見せ合いたいという願望が無いので、外に出れば人々がマスクをしているのは夢のような景色だ。
公共の場で爆音くしゃみを放つ爺、わざわざ人の隣に座る爺が明確に悪とされ、堂々と忌避出来るのは夢のような空気だ。

やっと呼吸器丸出しでは健康を害する事に気付いた人類が、それだけの事に耐えきれず陰謀論に飲まれている。
それほどのストレスに、今までの社会が合っていなかった人間はよく耐えていた。好きに生きよう。