定められた喪失の物語

Ghostwire: Tokyoの感想で書いた、
>物語が終わる事で心に小さい傷を一生残すような理想的なラスト。近年だとFF15やツシマのような、SFC後期RPGを思わせる定められた喪失の物語
について。

素晴らしい物語から心に残る傷を受ける時、それを少しでも多く得る為に生きていると感じる。
バッドEDや悲劇がいいという事ではなく、些細なすれ違いや誤解だとか、あと少しの所で間に合わなかったとかいう洋ドラの引き延ばしのようなものでもなく、物語が始まる以前から決まっていた事だと潔く幕を引かれた後の痛み。

例えばGhostwire: Tokyoで妹が語ったようにあの結末は必然であり、主人公の目の前で妹が殺され怒りのパワーで敵を倒しKKは何かの奇跡で生き返る!とかいうラストであればストーリー面では駄作と言わざるを得ない。それにしてもあの世界で得た物全てと主人公を切り離す潔さにはゾクゾクするが。

「推し」の名の下に登場人物の扱いに口を出す受け手は多いが、長年描いたキャラクターへの思い入れから作者ですらそれまで描いてきたものをねじ曲げる事がある。そして今キャラクターは何よりも金になる。既存絵のグッズをランダムで売り、立ち絵が会話するだけの茶番で永久に引き延ばせる。
それをせずあるべきように物語を終わらせる事は称賛に値する。