文字が遅くてフリゲが出来ない

フリゲが好きで、全盛期後もふりーむでADVやノベルの新着を軒並みチェックして気になる作品をDLしていた。数分の短編でも商業作品より心に残っているフリゲもある。しかしここ数年はあまりプレイ出来ていない。興味が無くなったのではなく、システム上の不都合からだ。

テキストスピードが遅すぎる。

原因はゲーム制作に使われるソフトの変化にある。
かつてノベル系ゲームに使われていた吉里吉里、NScripter、LiveMakerはシステム側に文字速度の設定機能があり、起動後すぐに瞬間表示にしていた。今使われているティラノスクリプト(ティラノビルダー)にはそれが無い。そして既定値が遅い。

各種設定機能は吉里吉里とNScripterはツールバー、LiveMakerは右クリックメニューからいつでもアクセス可能で、制作者が機能を無効化するには知識が必要となる。ティラノは制作者がコンフィグ画面等を作り、アクセス方法を設定しなければならない。サンプルゲームにはコンフィグがあるが、作風が強く簡単に消せるのでほとんどの制作者が使わない。
「設定不可にするには中級者以上の知識が必要」と「設定可能にするには中級者以上の知識が必要」という大きな差がある。結果、ティラノ製ゲームのほとんどが文字速度を変更出来ない。

タイポグリセミア現象(この ぶんょしう)でも分かる様に、人間は端から律儀に一文字ずつ一定速度で読むのではなく、ある程度まとまった量を上手く補完してスムーズに読む。文章の終わりが見えない形で少しずつ出すのはそれを阻害し、無駄な時間をかけさせる。
プレイ中は常にダブルクリック(スクロールx2)で文末まで表示させて進めるか、それも出来ない場合はスキップしてバックログで読む。ブラウザプレイ時は数クリックで諦める事が多い。

ティラノスクリプトは制作ツールとしては好きだが、プレイヤーとしてはゲームプレイの機会を失う非常に辛いツールになっている。